今までの自分と何かが違う、おかしい。
でも、いきなり心療内科や精神科、メンタルクリニックに行くのは不安…
気になるところはあっても、
「受診してみよう」
と決断するのはなかなか難しいですよね。
私も心療内科を受診するまで、ものすごく悩みました。
行ってみた結果、現在私は適応障害の診断が下り、自宅療養をしています。
悩んでいるのであれば、受診してみることを強くおすすめしたいです。
・毎日つらくて、日常生活にも支障がでている
・心療内科、精神科、メンタルクリニックに行くべきか悩んでいる
・そもそも今の自分の状態が正常なのかわからない
実際に感じた異変
私の場合、仕事のストレスが原因でこのような症状が出ました。
ひとつずつ、もう少し詳しくお話しますね。
四六時中、仕事のことばかり考えている
もともと私は、家では仕事のことをあまり考えないタイプでした。
仕事で嫌なことがあっても会社を出れば忘れられるので、感情の切り替えも得意なほうだったと思います。
それが仕事で大きなストレスを抱えるようになってから、朝起きた瞬間から夜寝るまで常に仕事のことが頭から離れなくなりました。
気分の落ち込みも激しかったので、仕事のことで思い出すのは全て嫌なことでした。
いままでなら休みの前日はゆったりとした気分で過ごせていましたが、それよりも次の出勤のことが気になって憂鬱になっていました。
泣いてしまう
はじめは家で、家族に仕事の話をしているときに涙が出るようになりました。
「自分がもっと頑張れば、こんなことにはなっていないのに」
「自分はなんの役にも立っていない。ダメな人間だ」
こんな内容の話が多かったと思います。
仕事の話をせずにはいられない精神状態だったので、ほぼ毎日話して、毎回泣いていました。
会社では気が張っていたのか、家に比べれば泣くことは少なかったです。
でも、何かのきっかけでスイッチが入ってしまうと、会社でも泣くことがありました。
周囲の人に気づかれないように、こっそり抜け出してトイレで泣いたりもしました。
いつもイライラしている
今までだったら気にならないような、ささいなことですらイライラするようになりました。
普通でも心に余裕がないときは、多くの方がこのような状態になると思います。
おかしいな、と感じ始めた理由は、
会社にいるあいだ常時この状態だったのと、
会社にいると明らかに脈拍が早くなったからでした。
状態がひどくなるにつれて、人と雑談をすることすら苦痛だと思うようになっていきました。
「みんな笑っているけど、何がおもしろいのか理解できない」
「そもそも、この仕事が大変な時に何ヘラヘラ笑ってるの?この会話意味ある?」
こんなことばかり考えていたので、当然会話に集中できなかったですし、何を話しているか途中でわからなくなることも増えました。
一方で、「自分の態度が悪い」「ひどいことを考えていて申し訳ない」という気持ちもありました。
イライラして周りに当たってしまう → 罪悪感 → 自分にイライラして悪化する
という負の連鎖が生まれていたと思います。
眠れない
これが2週間以上、毎日続いたため「おかしいのでは?」と思うようになりました。
また、「眠れない」とは少し違うのですが、「眠りたくない・眠るのが怖い」という気持ちもありました。
眠ったら朝になってしまい、仕事に行かないといけないので、無理やり起きていました。
眠らなかったとしても朝はくるのですが、次の日になるのを体感的に遅らせたかったのです。
このほかにも、睡眠障害はなかなか寝つけない(入眠困難)というタイプの人もいるそうです。
私は入眠しようと思えば眠れた(自分の意思で起きていた)ので、これには当てはまりませんでした。
体重が落ちた
具体的には、約2週間で2㎏減少しました。
短期間でやや大きい体重変化があったため、周りの人からも「痩せた?」と言われるようになりました。
食欲は普段と変わったという自覚はありませんでした。
ただ、食に関する興味はだいぶ薄くなっていたかもしれません。
私はもともと食べるのが好きなのですが、このときは「とりあえず胃にものが入っていればいいや」という感覚で食べていた気がします。
多分、食べる量も無意識のうちに減っていたのだと思います。
人によっては体重が増えてしまうこともあるそうです。
なので、「痩せたから危険」ではなく、「体重が短期間に大きく変動したら要注意」というふうに認識しておいたほうが良いと思います。
好きなことが楽しめない
仕事のことで頭がいっぱいで、常に焦燥感に駆り立てられていた気がします。
その結果、好きなこと(趣味)を楽しむということができなくなりました。
「ただ楽しいだけで役に立たないのものは無駄」
そんなふうに感じていたと思います。
実際、無理して趣味を楽しむ時間をとっても、かえってイライラしました。
だんだん、自分は何が好きだったのかもわからなくなっていくような感覚になりました。
LINEなど、人と連絡を取るのが億劫
LINEが来てもすぐ返信できない、確認しても放置するということが増えました。
早めに返す必要があるか、どんな文章を返すかなど考えているだけでストレスが溜まりました。
雑談など重要度の低い連絡は、特に面倒に感じました。
最終的には、LINEの通知が来ただけでも、眉間にしわが寄るようになっていました。
風呂でどこまで洗ったかわからなくなる
普段でも考え事をしているとよくあることだと思いますが、入浴時にほぼ毎回どこまで洗ったかわからなくなったため、異常を感じました。
「今顔を洗った」など、かなり強く意識していないとすぐに忘れてしまうのです。
うつ状態になると風呂に入れなくなるというのを聞いたことがあったので、もしかするとその前兆なのではと怖くなりました。
受診するまでの気持ちと葛藤
「病院に行くほどじゃないかも…」
「仕事を休んでいる場合じゃない。休めない。」
「でも、このまま頑張り続けられるか、わからない…」
このようなことをグルグルと考え続けていました。
根底には、以下のような考えがあったのだと思います。
他にも、メンタルの不調は受診の基準がよくわからないというのも、葛藤する理由のひとつでした。
ストレスのセルフチェックができるサイトはたくさんあるので、私も相当な数を試しました。
でも、どれもやってみても受診に踏み切るほどの決定打にはなりませんでした。
どうしても、「気の持ちよう」のひとことで片づけてしまうのです。
受診しようと決めたきっかけ
家族からの勧め
受診を決めた一番の大きなきっかけは、家族に受診を勧められたからです。
私は夫と二人暮らしなのですが、夫から自分では気づいていなかった、行動の変化について指摘されました。
心の状態など内面的な問題は、通常ならば本人以外にはよくわからないものです。
それが心の中のみにとどまらず、無意識に表に出てしまっていました。
周りから見て明らかにおかしいと感じるレベルであるならば、受診すべきではないかと考えるようになりました。
家族にこれ以上心配をかけたくないと思ったことも、受診を決めた大きな理由です。
実際に心療内科に通っている友人に相談した
心療内科に通っている友人と会う機会があったので、相談してみました。
友人も仕事がきっかけで適応障害になり、休職を経験しています。
このようなことについて話してみたところ、友人が休職に至ったときの状況に似ている点が多かったそうで、
「今はまだ大丈夫だと思ってるかもしれないけど、ある日突然ダメになる可能性があるから早めに受診したほうがいいよ。多分、あと1~2週間くらいで限界が来ると思う。」
と、言われました。
1~2週間という数字がなんともリアルで、説得力がありました。
実際この友人に相談をした1週間後に、私は限界を感じて心療内科を受診しています。
受診時の印象
思っていたより普通
子どものころに家族の付き添いで心療内科や精神科に行ったことがあるのですが、そのときは空気が重い・暗いといったイメージがありました。
ですが今回行ったクリニックは、待合室の雰囲気などは特にほかの病院と変わりませんでした。
心を専門に扱うからか、先生や受付の方は柔らかいかんじの方が多く、印象は良かったです。
診察の様子
診察時間は約10~15分とクリニックのサイトに書いてあったので、話すことをある程度頭の中でまとめていきました。
「どのようなことが原因(きっかけ)で、生活にどんな支障が出ているか」
私の場合は仕事上での明確なきっかけがあったので、そこに重点を置いて説明をしました。
初診ということもあり、医師はじっくりと話を聞いてくれていると感じました。
上手く説明ができなくても、必要なことは医師のほうから質問してくれるので、安心感がありました。
受診したあとの生活の変化
休職という選択
現在、私は休職をしています。
退職も考えましたが、いったん休職の選択をすることにしました。
医師から、「症状が重いうちは大きな決断をするのは控えたほうがいい」というアドバイスがあったからです。
一般的に休職中の給与は企業からは支給されませんが、条件を満たせば傷病手当金制度の利用ができます。
お金の心配をしなくてよいというのも、休職を選んだ決め手のひとつです。
【傷病手当金とは?】
ケガや病気で働けず、給料をもらえなくなったときに、健康保険が給付してくれるお金のことです。
加入している健康保険によって申請書の書式が違ったり、提出するタイミングを勤務先から指定されたりすることがあります。
まずは勤務先の会社に傷病手当金制度を利用したい旨を伝え、問い合わせてみるとよいです。
心情の変化
私は受診の結果、適応障害の診断を受けました。
診断を受けた直後は頭が真っ白になりました。
「心療内科を受診するということは、何かしらの診断が下るという可能性がある」ということは充分理解していたつもりでしたが、いざ言われると想像以上にショックをうけました。
「病名がついてしまった」
「会社を休めない、どうしよう」
このような不安が一気に襲ってきました。
休職するにあたってどう会社と話をしたらいいか怖くなりましたし、休むことへの罪悪感もありました。
受診しなければ病気と診断されることもなかったのだから、受診しないほうがよかったのかもしれない…などと自分を責めることもありました。
ただ、専門家に診てもらえたという安心感は大きかったです。
堂々巡りだったところから、一歩前に進んだと思えました。
そして仕事と距離を置いたことで、いままで抱えていた罪悪感や、自分を執拗に責めることこそが普通じゃなかったんだと、だんだんと思えるようになってきました。
こういった感覚はすぐになくなってくれるものではありませんが、少しずつ自分の考え方が変わってきているのを感じます。
受診を迷っている方へ
迷っているなら受診したほうが良いと思います
自分の心がどこかおかしいなと思っても、会社・周りの人・家族のことなどを考えると受診を迷ってしまいますよね。
でも、本当に一番大切にすべきなのは、「心療内科に行くべきか悩むくらい、今自分がつらい」という事実ではないでしょうか。
そう思わずにはいられないほどの身体の異変や、心の状態の変化がすでに起こっているのだと思います。
何も病名がつかないなら、それならそれでいいのです。
病名がつくほど悪化してからでは遅い可能性だってあります。
身体の病気と同じで、発見は早いに越したことありません。
「受診する」という行動そのものが、自分の心と身体と向き合うための、重要な一歩となるはずです。
もし「受診してみようかな」と思っていただけたようでしたら、クリニックの選び方についてまとめた記事もあるので、よかったらこちらもご覧ください。
さいごに
症状の現れ方は、人によって様々です。
お読みいただいた内容は、あくまでも筆者の実体験をもとにした一例にすぎません。
おかしいと感じたら、一刻も早く専門家に診てもらったほうがいいです。
私は早めに受診して本当に良かったと思っています。
もっと遅れていたら、こうしてブログを書くなんてできなかったかもしれません。
受診するようアドバイスをくれた家族や友人にも、心から感謝しています。
このブログが心療内科に行くべきか悩んでいる方の、背中のひと押しとなれば嬉しいです。
コメント