PR

なぜかモヤっとする「優しさ風のひとこと」との付き合い方

コミュニケーション
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

「みんなおんなじだよ!」
「私だったらこうするけどな~」
「そんなの気にしたってしょうがないよ!」

励ましてくれていたり、アドバイスのつもりなのはわかってる。
でもなぜかときどき心に引っかかる言葉たち。

そういうことじゃないんだよな…と感じる、優しさ風のひとことってありますよね。

今回はそんな日常生活でよく出会う、モヤっとする瞬間を集めました。

上手な付き合い方や、返し方の例も後半に載せているので、よかったら参考にしてみてくださいね。

優しさ風のモヤっとひとこと10選

優しさで言っているのはわかるけど、なんだか後味がモヤモヤする…。
そんなふうに感じる言葉を、10個集めてみました。

一部、心理学に基づく解説もつけています。
「あのときモヤっとしたのはこういう理由だったんだ!」という気づきにつながるかもしれません。

①「せっかくだから○○したら?」

心のつぶやき:考えてくれるのは嬉しい…でも私の選択って、そんなにダメだったのかな。

相手は「より良くしてあげたい」と思って言ってくれている。
けれど言われた側は、自分の選択を否定されたように感じてしまうことも。

②「みんなそうだよ!」

心のつぶやき:共感してくれてるのはわかるけど、私の悩みが雑にまとめられた感じが漂う。

悩みを「みんな」と一括りにされると、自分の気持ちを軽く扱われた感覚になる。
安心よりも孤独感が残ってしまうことも。

【個別性の軽視】
自分の体験を”一般的なこと”としてまとめられると、「特別な体験として尊重してもらえなかった」と感じやすくなります。

③「こっちのほうが絶対いいよ!」

心のつぶやき:押し付けが強くて、自分に選択権がないように感じる…。

良かれと思って強く勧めてくれているけれど、同時に「あなたの選択は間違ってる」と言われたように受け取れてしまう。
押し付けられるほど、気持ちは遠のいていく。

④「そんなに気にすることないよ!」

心のつぶやき:悩むほどのことじゃないんだから軽く流せばいいのに、と言われているみたいでモヤモヤ。

相手は心配を減らそうとしてくれている。でも、自分にとっては気になること。
軽く受け流されると「理解してもらえなかった」と感じてしまう。

⑤「大丈夫大丈夫!」

心のつぶやき:大丈夫じゃないから相談してるのに、強制ポジティブ注入されるとつらい。

励ましの言葉なのはわかる。
でも本当に不安なときに繰り返されると、悩みを流されたような気分になる。

【感情の無効化】
不安や悲しみを表現したときに、「大したことない」と返されると、善意でも感情を軽視されたように感じてしまいます。

⑥「もう忘れちゃえ!」

心のつぶやき:まだ気持ちの整理ができていないのに、消化するための時間をスキップさせられた気分になる。

心の整理には時間が必要なこともある。
そんなにすぐ忘れられるような軽い問題じゃなかったのに、と考えてしまい納得できない気持ちが残る。

⑦「逆にうらやましいけどな〜」

心のつぶやき:ポジティブに変換してくれてるけど、しんどさを軽く見られたように感じる。

良い方向に捉えてくれているのはわかる。
でも「私にとっては大きな悩み」というのがわかって貰えてない気がして、余計にしんどさが残る。

⑧「あなたのことを思って言ってるんだよ」

心のつぶやき:それって本当に私のために言ってる…?

これは思いやりで言ってくれていると、心から思えるときもある。
でもときどき、「あなたの思い通りに行動させたいだけじゃない?」と感じる瞬間もある。

⑨「普通はこうするものだよ」

心のつぶやき:常識を教えてくれてるつもりなんだろうけど、自分の価値観を否定された気分に。

「普通」や「常識」を持ち出されると、それ以外のやり方は間違いだと言われている感覚になる。
正解がひとつしかないような苦しさが残る。

【人は「自分で選びたい」】
人間は生まれながらに「自分で決めたい」という欲求を持っています。(デシとライアンの自己決定理論)
その気持ちを無視して「普通」の枠に押し込められると、反発や不快感が生じやすいです。

⑩「でも、いい経験になったよね!」

心のつぶやき:経験になるのはもっと後の話。自分はまだ前向きに受け止められない…。

もっと時間が経って、振り返ったときにはそう言えるかもしれない。
けれど気持ちが追いついていないときに言われると、「今の苦しさ」を受け止めてもらえないようで切なくなる。

まだまだある!モヤっとするセリフ集

恋愛系のモヤっと、ありがた迷惑系、会話のすり替え系…

モヤっとする瞬間って、ほかにもたくさんありますよね。

10選に入りきらなかった、「優しさも感じるけどモヤっとするセリフ」を、追加でもう少しご紹介します。

恋愛系

「もっといい人いるよ!」
→私はまだ今の人が好き。そんなにすぐ切り替えできない…。

「見返してやろうよ!」
→まだ落ち込む気持ちのほうが強くて、そこまでのパワーは出せない…。

ありがた迷惑系

「私が代わりにやっておいてあげるよ!」
→ありがたいけど、頼んでないんだけどな…と思って負担になることも。

「そのやり方より、こっちのほうがいいよ!」
→その通りだとしても、押し付け感が強いとモヤっ。

会話のすり替え系

「わかるよ~私なんてさ〜(ここから延々自分語り)」
→共感してるつもりなんだと思うけど…今は私のターンじゃなかったっけ?

【「会話泥棒」をされると…】
自分の意見を大事にされなかった感覚、話を聞いてもらえなかったことによる消化不良感がモヤモヤとして残ります。共感よりも不誠実さを感じてしまうのです。

「なんかモヤモヤする」のはなんで?

モヤっとする気持ちの正体

良かれと思って言ってくれているのはわかる。
それでも、なんだか心にモヤっと感が残る――。

このスッキリしない気持ちには、いくつか理由があります。

  • 自分の気持ちとズレている
    自分が感じていることと違う方向の言葉を投げかけられると、「わかってもらえていない」という感覚が生まれる。
  • 善意を否定しにくい
    悪意なら跳ね返せるけれど、善意の場合は「せっかくの厚意を無駄にしたら悪い」と思ってしまう。その結果、自分の感情を後まわしにしてしまう。
  • 本音と建前の板挟み
    「ありがとう」と素直に受け取りたい気持ちと、「でもちょっと違うんだよな」という本音の間で揺れる。

ご紹介したセリフの多くは、

「相手の言葉を受け入れないと“善意”を否定することになり、受け入れると“自分の気持ち”を否定することになる」

という二者択一の構造になっています。
どちらを選んだとしても、何かしらのマイナス面があるのです。

このような価値観の違いから生まれる「かみ合わない感覚」こそが、モヤっとする気持ちの正体なのです。

モヤモヤするかどうかはタイミングにもよる

同じ言葉でも、受け取るときの気持ち次第でモヤモヤ度は変わります。

たとえば、「大丈夫大丈夫!」と言われた場合。

励ましとして素直に受け取れて、安心や元気をもらえるときもあります。
でも、深く悩んでいるときには「軽く流された」ような気がしてしまうこともあるのです。

「もう忘れちゃえ!」も同じです。
その通りだなと気分を切り替えられるときもあれば、まだ気持ちが整理できていなくて、突き放されたように感じることもあります。

つまり、モヤモヤの原因はセリフだけではなく、そのときの自分の心境や状況に大きく左右されているのです。

「言葉」より「タイミング」が、モヤっとを決めるカギになる、ということですね。

モヤモヤしたときの向き合い方&返し方

では、モヤモヤとして気持ちが晴れないときは、どうしたらよいのでしょうか。
最後に、モヤモヤとの向き合い方と返し方の例をご紹介します。

「相手の気持ち」と「自分の気持ち」を分けて考える

相手が善意で言ってくれているからといって、それを全面的に肯定しようとすると苦しくなります。

そんなときは、相手の言葉と自分がどう感じたかは別物と考えて扱っていいのです。

例)「いい経験になったよね!」
「たしかに学んだことはあるね。でも正直、今はまだ落ち込んでるかな」

この例で言うと、

  • 相手の言葉:学びになったこともある → その通り、ありがたい
  • 自分の本音:そうは言ってもまだ落ち込んでいる → これもたしかな気持ちとして伝える

こうして両方を認めつつ伝えることで、「相手の気持ちを受け入れるか、自分の気持ちを押し殺すか」という二択から抜け出すことができます。

モヤモヤが少し楽になるだけでなく、相手との関係も保ちながら本音を伝えやすくなるのです。

「ありがとう+自分の意見」で返す

モヤっとをやわらげる万能フレーズがあります。
それが 「ありがとう+自分の意見」 です。

まずは相手の優しさに「ありがとう」と一言伝えて受け止めます。
そしてそのあとで、自分の気持ちを返すのです。

ワンクッションを入れることで印象が柔らかくなり、相手を尊重しながら本音を切り出すことができます。

例)「せっかくだから○○したら?」
「そう言ってくれてありがとう。でもこっちにしてみたい気分なんだ」

「気持ちは嬉しいよ」と一旦受け止めてから返すことは、相手への配慮になるだけでなく、自分のモヤモヤを落ち着かせるのにも効果的です。

「ありがとう+自分の意見」伝える方法、ちょっとしたお誘いなどを断るときにも役立ちます。断るのが苦手な方は、こちらの記事もぜひ読んでみてください。

モヤモヤを言葉にして整理する

言われたときは平気だったのに、あとからジワジワとモヤモヤしてきた…。
そんな経験はありませんか?

そんなときは心の中で「なんでモヤっとしたんだろう?」とつぶやいて、モヤモヤを言葉にしてみましょう。
紙やスマホに書き出すとより効果的です。

「モヤモヤ」とは、まさにもやのようにぼんやりとしていて正体が掴めない状態。
だからこそ、「言葉」という形にして整理するだけでも、気持ちがスッキリするのです。

「押し付けに感じたからだ」
「気持ちを軽く扱われたからだ」

原因が見えてくると、次に同じようなことがあったとき、どう向き合えばいいか考えるヒントになります。

【ときには距離をとるのも”優しさ”】
どうしても合わないと感じる相手とは、自分を守るために距離をとってもよいのです。
「この人とはこの距離感がちょうどいい」と線を引けるようになると、人間関係がグッと楽になります。

まとめ

今回は「なぜかモヤっとする優しさ風のひとこと」との付き合い方を見てきました。

モヤっとするセリフは、実は優しさと紙一重。

だからこそよく耳にするし、ときには自分も無意識に口にしてしまうものです。
きっと、この記事で紹介した言葉を一度も使ったことがない人は、ほとんどいないでしょう。

でも大切なのは、「自分の気持ちを相手に伝えるのは悪いことではない」ということです。
優しさがすれ違うこともあるんだと知っていれば、相手に対しても少し優しくなれるし、自分の心も楽になります。

あなたがこれから「モヤっと」と上手に付き合いながら、人とのやりとりを少しでも軽やかに感じられるよう願っています。

参考にした資料

Psychology Today:感情の無効化(Emotional Invalidation)(英語サイト)
StillMindFlorida:軽視・抑圧による心理的影響(英語サイト)

コメント

タイトルとURLをコピーしました