「話していると、よく聞き返されてしまう」
「ゆっくり話そうとしても、気づくとはやくなっている…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
最近では、SNSや動画の影響もあり、「テンポがはやいのが普通」と捉える人も増えています。
でも、実際の会話で同じペースで話すと、思うように伝わらないことも。
早口は「良くないクセ」ではなく、環境や心の反応から生まれる自然な行動です。
少し意識を変えるだけで、印象や伝わり方もやわらかくなります。
この記事では、
を、やさしく解説していきます!
自分は早口?チェックリスト

早口は、なかなか自分では気づきにくいものです。
自分では普通だと思っていても、相手からすると「ちょっとはやいかも」と感じることもあります。
そこで、早口になりやすい人に見られる特徴をまとめた、セルフチェックをご用意しました。
まずは、自分の話し方の傾向を知るところから始めてみましょう!
当てはまったら□をタッチすれば、チェックが入ります。
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早口になってしまうのはなぜ?4つの理由
「気づいたら話すスピードがはやくなっている」
早口にはさまざまな背景や、心の動きが関係しています。
- 緊張している
- 好きなものの話をしている
- 身体的な話し方のクセ
- 自分のなかのテンポがはやい
代表的な理由を4つピックアップしてみました。
それぞれの理由を、さらにていねいに見ていきましょう。
①緊張している

緊張する場面では、精神面でプレッシャーがかかりやすく、以下のような状態に陥ることがあります。
このような「焦る気持ち」が、自然と話すスピードをはやめてしまうのです。
また、人は緊張すると交感神経の働きによって、体が「戦うか逃げるかモード」に入りやすくなります。
この状態だと筋肉がこわばり、呼吸も浅くなるのです。
口や舌が思うように動かせなかったり、呼吸が浅いせいで息が続かないことも、テンポが上がる原因となります。
②好きなものの話をしている
好きなものや、興味のあることについて話すときだけ早口になる、という人もいます。
感情が高ぶることで、このような状態になりやすいのです。
「好き」というプラスの気持ちから生まれる反応なので、完全にネガティブなものではなく、熱量が高い証拠といえます。
ですが、これは「話すこと」に意識が集中しすぎている状態でもあります。
情報が多すぎると、途中で相手の理解が追いつかなくなる、ということも考えられるのです。
③身体的な話し方のクセ
早口は気持ちの問題だけでなく、体の使い方に原因があることもあります。
話すスピードがはやい人は、口まわりの筋肉(口輪筋)や舌があまり動かない傾向があります。
その結果、
「話すときに筋肉を使わない → 動きがさらに鈍くなる → ますます早口になる」
というループが起こりやすくなります。
また、胸のあたりだけで浅く呼吸していると、1回で使える息の量が少なくなります。
息切れを避けようとして、一気に言おうとしてしまうため、早口になりやすいのです。
④自分のなかのテンポがはやい
もともと「自分のなかのテンポ」がはやいと、話す速度にもそれが反映されることがあります。
こうした人は、思考のスピードに言葉が追いつこうとしてテンポが上がっていきます。
心理学的にも、思考の処理速度と言語化のスピードには関係があるとされています。
これは生まれ持った特性だけでなく、日ごろ触れている情報の速度や、環境の影響も受けやすい部分です。
ここで注意しなければならないのが、「相手の理解のはやさが自分と同じとは限らない」ということです。
頭のなかのテンポがそのまま会話に出ると、相手が「ついていけない」「圧がある」と感じてしまうこともあるのです。
早口とゆっくりの特徴比較【メリット・デメリット】
ではここで一度、「早口」と「ゆっくり」それぞれの特徴を整理してみましょう。
どちらにも場面によって向き・不向きがあります。
| 話し方 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 早口 | ・テンポが良い ・ハキハキとした印象を与える ・情報量を多く伝えられる | ・聞き手が処理しきれず、 伝わらないリスクが上がる ・圧迫感を与えることも |
| ゆっくり | ・安心感、信頼感を与えやすい ・内容が届きやすい ・聞く側にも余裕ができる | ・テンポが遅いと感じる人もいる ・話が冗長に聞こえる可能性もある |
このなかで特に注目したいのは、「早口だと相手に伝わらないリスクがある」という点です。
どんなに話の内容が良くても、相手が聞き取れなければその良さは届きません。
人が話を聞いて理解するスピードには限界があり、内容を受け止めて考えるための「間」がどうしても必要なのです。
一方で、ゆっくり話すことには「安心感」や「信頼感」といったプラスの印象がついてきます。
これもまた、「相手にじっくり考える間を与える」からこそ生まれる感情です。

「聞く側に余裕を作る」という思いやりが、
信頼へとつながっていくんですね。
今日からできる!早口をゆっくりに変えるコツ
ここからは、早口をゆっくりに変えていくための、実践的なコツをご紹介します。
どれも特別なトレーニングではないので、できそうなものから気軽に試してみてくださいね。
録音して聞いてみる

まずは、「自分が普段どのくらいのはやさで話しているのか」を知ることから始めてみましょう。
そのためには、自分の声を録音して客観的に聞いてみるのがとても効果的です。
誰かとの会話やスピーチなどを録れればベストですが、難しい場合は、身近な本などを朗読してみてもOKです。
試してみるとわかりますが、「思っていたより早口だった」と感じることが多いです。
頭の中では落ち着いて話しているつもりでも、実際はもっとはやいというのは非常によくあることです。
スマホの録音機能や動画撮影を使えばできることなので、気軽に試してみてくださいね。

身近な人に「私、早口かな?」と聞いてみるのもオススメですよ。
「聞き取りやすいスピード」を知る
自分の話すスピードを把握できたら、次は「どのくらいゆっくり話せばちょうどいいのか」を知っておきましょう。
その目安になるのが、「1分あたりに話す文字数」です。
これはアナウンサーやナレーターなど、話す仕事に携わる人たちの世界でもよく使われる基準です。
一般的には、1分間に300〜350字くらいを目安にするとよい、と言われています。
とはいえ、いきなり数字を言われてもピンときませんよね。
そこで、私たちが日常で耳にするものの話す速度の例を、いくつかまとめました。
| 種類 | 1分あたりの文字数 |
|---|---|
| ニュース番組(アナウンサー) | 300〜350字程度 |
| コールセンターなどの自動音声 | 300~400字程度 |
| ショート動画 | 600~700字程度 |

私はコールセンターで働いていたとき、
自分の話す速度の測定をしたことがあります。
特になにも意識しない場合、平均は450字程度でした。
この1分間に300〜350字というのは、日常会話だと「けっこうゆっくりだな」と感じるくらいのテンポです。
ですが、会議やプレゼンなど一人対複数人で話す場面では、このスピードを意識すると印象がぐっと良くなります。
「ゆっくり話したい」と思ったときは、頭の中でアナウンサーや自動音声を思い浮かべてみてください。
自然と、声にも落ち着きが出てきますよ。
【動画はなぜ早口?】
表の数値からもわかるように、ショート動画の話し方はとてもはやいですよね。
これは、短い時間でできるだけ多くの情報を届けるためです。
SNSでは「退屈だ」と判断されると数秒で離脱されることも多く、テンポよく進めて視聴者の興味が途切れないようにしています。
また、動画にはテロップや画像などの視覚的なサポートもあるため、早口でも内容を理解しやすいという背景もあります。
「意識」と「体」の両面からアプローチする
早口を改善するためには、意識と体の両面から整えることが大切です。
「間・発音・呼吸」などが深く関わってきます。
①自分の意識を変える
意識的に「間(ま)」をつくる
「、」や「。」のタイミングで一呼吸置くイメージを持つと、しゃべりに余裕が生まれます。
この「間」は、聞き手が内容を整理する時間にもなります。
ひとつひとつの言葉をていねいに発音する
早口だと舌や唇の動きが追いつかず、音がつぶれやすくなります。
例)「ありがとうございます」を急いで言うと、「りあとうざいます」に近い音に聞こえる。
逆に一文字ずつていねいに話すと、舌や口の動きが大きくなり、結果的にスピードも落ち着きます。
②体の使い方を変える
口を大きめに開ける
口をしっかり動かすことで、自然とゆっくり話せるようになります。
発音が明瞭になるため、聞き取りやすさもアップします。
鼻呼吸を意識する
鼻で息をすることで、腹式呼吸になりやすくなります。
深い呼吸は声を安定させ、落ち着いた話し方を支える土台となります。
「意識」と「体」の両面を整えることは、声の届きやすさそのものを高めることにもつながります。
例えば、アナウンサー・俳優・ヴォーカリストなど声を使う仕事の人たちは、テンポがはやくても言葉が聞き取りやすいですよね。
それは、ここで紹介したような「間・発音・呼吸」のコントロールができているからです。
つまり、「ゆっくり話す意識」とは、同時に「明瞭に話す意識」でもあるのです。
相手の話すスピードに合わせる
最後は、少し視点を変えたお話です。
ここまで「ゆっくり話すこと」の大切さを中心に解説してきましたが、決して「早口が悪い」というわけではありません。
いちばん大切なのは、相手に伝わることです。
「ゆっくり話す」というのは、あくまでもそのための手段のひとつです。
たとえテンポがはやくても、相手がしっかり理解できていれば、問題ないのです。
逆に、ゆっくり話しても相手の集中が途切れてしまえば、伝わりません。
一対一の会話では特に、相手のスピードに合わせることを意識してみてください。
それだけで、会話の心地よさが一段と増します。
相手にわかりやすく伝えるためには、言葉の選び方も大切です。「気持ちごと伝わる言葉」についてまとめた、こちらの記事もオススメです。
まとめ
今回は「早口を直す方法」をご紹介しました!
今の時代は、会話に限らず、世の中全体のスピード感がどんどんはやくなっています。
だからこそ、ゆっくり話すことは立派なスキルのひとつといえるのです。
ゆっくり話すというのは、単にスピードを落とすことではなく、「伝わるように話す」という姿勢そのもの。
この意識を持つだけでも、あなたの言葉はきっと、相手の心へまっすぐ届くようになりますよ♪
- 処理速度理論:Salthouse, T. A. (1996). The processing-speed theory of adult age differences in cognition. Psychological Review, 103(3), 403–428.
- 人の注意や情報処理には限界がある(限定容量モデル):Lang, A. (2000). The limited capacity model of mediated message processing. Journal of Communication, 50(1), 46–70.
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