「運とは、自分の力ではどうにもならないもの」
そう考えている人は、きっと多いと思います。
でももし、運を少しだけ自分でコントロールする方法があるとしたら…ちょっと気になりませんか?
一見スピリチュアルな話に聞こえますが、実はこれは心理学や科学でも、ある程度説明できる現象です。
この記事では、
を解説しながら、誰でもできる「運を味方にする習慣と考え方」をご紹介します!
「運が良い人」に共通する4つの特徴

「運の良い人」に関する研究の第一人者である、イギリスの心理学者リチャード・ワイズマンは、運が良い人には4つの特徴があるとまとめています。
- チャンスを最大限に活かす
- 直感を信じて行動する
- 良い未来を期待する
- 不運を幸運に変える
こうして見ると、いわゆるポジティブな考え方や行動ばかりで、意外と特別なことではありませんよね。
例えば、「チャンスを活かす」というのはちょっとした機会を見逃さず、一歩踏み出すことだったり。
「不運を幸運に変える」も、失敗を柔軟に受け止めるというニュアンスだったり。
どれも決して大きな話ではないのです。
でも、こんなふうに思った方もいるかもしれません。
「なんだか気の持ちように思えるな…」と。
たしかにこの説明だけでは、まだふわっとしていますよね。
そこで次のパートでは、これらの特徴が「根拠ある心理的メカニズム」に支えられていることを、科学的な視点からわかりやすく解説していきます。

根拠の説明はナシで、運を良くする具体的な方法だけ知りたいよ!
と思った方はこちらをクリックすれば解説をスキップできます。
運にはコントロールできるものと、できないものがある
「運」について、辞書ではこのように説明されています。
人の身の上にめぐりくる幸・不幸を支配する、人間の意志を超越したはたらき。
(小学館『デジタル大辞泉』より引用)
これをみると、「やっぱり運はどうすることもできないんじゃないか!」と感じますよね。
ですが、心理学や科学の視点で捉えると、運は2種類に分けて考えることができます。
- コントロール可能な運:自分の行動・考え方次第で引き寄せやすくなる運
- コントロール不能な運:完全に偶然に左右される運
この2つを見分けられるようになると、一気に運を味方につけることができます。
それぞれどのような違いがあるか、見ていきましょう。
「内的統制」と「外的統制」
「運を自分で調整する」という考え方のベースにあるのが、アメリカの心理学者ジュリアン・ロッターによって提唱された、「ローカス・オブ・コントロール(統制の所在)」という心理学の概念です。
簡単に言うと、「結果や評価の責任がどこ(誰)にあると考えるか?」という、人間の心理傾向のことです。
この考え方に「運」が持つ要素を重ねると、次のように整理できます。
内的統制
責任は自分にあり、ものごとは「自分の努力や行動」で変えられると考えやすい。
行動や思考の積み重ねで、チャンスを引き寄せる傾向があります。
運要素の例:人との縁を広げる、機会に恵まれる、成功確率を上げる
外的統制
責任は自分以外にあり、ものごとは「偶然・他人・環境」に左右されると考えやすい。
運を待つスタンスをとる傾向があります。
運要素の例:宝くじが当たる、天気が変わる、自然災害
「コントロール可能な運」は内的統制の考え方と深く関係しており、自分の行動や思考で変化させやすい部分です。
一方、「宝くじが当たる」ようなランダムな偶然は外的統制の領域であり、自分の力でコントロールすることはできません。
つまり、「運をコントロールする」とは偶然を操ることではなく、自分の力で変えられる部分に焦点を当てることなのです。
ローカス・オブ・コントロールは「二分される性格」ではなく、「心理的傾向」です。
誰もが多かれ少なかれ、両方の要素を持ち合わせています。
また、外的統制が悪いものというわけではなく、「受け入れる力が強い」という長所もあります。
「行動」をするから「偶然」に出会える
科学やビジネスの分野を中心に注目されている概念に、「セレンディピティ」があります。
「驚くべき価値のある発見」という意味の言葉なのですが、この概念は、
偶然と個人の行動の相互作用
と、説明されることが多いです。
これはどういうことかと言うと、
例えば宝くじの場合、「当たる」のは外的な運ですが、「買う」のは自分の行動です。
「買わなければ当たる確率は0」なので、これもまた完全な偶然ではなく、行動との掛け合わせといえるのです。
私たちは、ランダムな偶然を操作することはできません。
でも、偶然と出会いやすい自分になることはできるのです。
これが「運をコントロールする」という考え方の核になります。

運の種類を分けて考えることで、
「自分で変えられる部分」が見えてきますよ。
心理学・科学で説明できる「運の正体」
なぜバターを塗った面が落ちる? ― トースト落下の実験
「トーストがバターを塗った面を下にして落ちる確率は、敷いたカーペットの値段に比例する」
これは「マーフィーの法則」と呼ばれる、ちょっと切ない経験則をまとめたジョークのようなものです。
「法則」という名前が付いていますが、この話自体にもともと科学的根拠はありません。
…が、これを本気で研究した人物がいます。
アストン大学のロバート・マシューズの研究では、トーストはバター面を下にして落ちる確率が高いことが示されています。
理由はシンプルです。
これらの物理的条件が重なると、落下中にちょうど半回転するケースが多く、もともと上向きだったバター面が床に接する向きになるのです。

「運が悪いからそうなる」のではなく、物理的にそうなりやすい条件が整っているだけなんですね。
この話を通して伝えたいポイントはひとつです。
「“不運”と感じるできごとの中にも、よく見ると“理由”がある」
偶然のように見えることも、背景をたどれば説明可能なメカニズムがある場合があります。
この視点を持つだけで、「運の受け止め方」は大きく変わるのです。
「思い込み」の力は強い ― 新聞実験
「運が良い」と信じる人は、実際に運を呼び込んでいる。
そんな調査結果があります。
心理学者リチャード・ワイズマンは、自分は「運が良い」と感じている人と、「運が悪い」と感じている人を集めて、ある実験を行いました。
被験者に新聞を渡し、「この中に写真が何枚あるか数えてください」と指示。
しかし、新聞には大きな文字でこう書かれていました。
「このメッセージを見たと言えば、250ポンド(約5万円)がもらえます」
この実験の目的は写真を数えることではなく、メッセージに気づくことができるかという点にありました。
結果、運が悪い人と思っている人ほど、このメッセージを見逃したそうです。
つまり、「運が良い」というのは偶然ではなく、
この違いによるものであると、実験によって示したのです。
「信じる気持ちが大事」とはよく言いますが、「思い込み」には実際に大きな力がある、ということです。
「自分は運が良い」と感じやすい心理だけでなく、反対に「自分は運が悪い」と感じやすい心理というのも存在します。
【ネガティビティバイアス】
人はポジティブなできごとよりも、ネガティブなできごとのほうに強く反応し、記憶にも残りやすい傾向がある
これは「危険を察知できなければ生き延びられなかった」という、人間の進化の過程に由来しているといわれています。
私たちの脳は、もともと悪いことに目が向きやすい構造をしているのです。

「自分は運が悪い」と思いやすいのは、ある意味で自然なことなんですね。
だからこそ「理由」を知って、自分でチャンスを見つける心構えを持つことが大切です。
運を味方にする習慣

ここまで、以下のことを解説してきました。
運は「ただの偶然」だけではなく、自分の行動や考え方によって引き寄せやすくなる側面もあるということです。
ではこれを踏まえて、「具体的にどんな習慣を身につければ運が良くなるのか?」についてお話ししていきます。
今日からすぐにできる5つのこと
私たちにできる「運のコントロール」とは、自分の行動や考え方によって、「幸運に出会う確率」を高めることです。
重要なのは、このふたつです。
これらを育てるために、今日から始められる5つの習慣をご紹介します!
① いろいろなことに興味を持つ
興味の幅を広げると、新しい情報やチャンスと出会う入口が増えます。
運のきっかけは、たいてい自分の「想定外」からやってくるのです。
② 新しいことにチャレンジしてみる
いつもと違う行動は、人との出会いや意外な体験につながります。
たとえ小さな一歩でも、偶然と出会う確率を大きく高めます。
③ いま取り組んでいることはそのまま続ける
途中でやめてしまうと、芽が出るはずだったチャンスもゼロになります。
「継続」もまた、運を味方につける大きな要素のひとつです。
④ 起こった「ラッキー」を記録しておく
日々の小さな幸運を言葉に残すと、「チャンスを拾う力」が少しずつ育ちます。
「自分はツイている」と感じやすくなり、行動意欲にもつながります。
⑤ 本を読んで知識を増やす
知識が増えると、同じできごとでもチャンスとして認識できる可能性が高まります。
視野が広がることで、偶然を活かす力が強くなるのです。
興味を持ったり行動に移したりするのが苦手であれば、まずは日常の小さな楽しみを探すことから始めてみるのもオススメです。
幸運は準備している人の前に現れる
私たちは、リスクへの備えは自然としています。
これと同じように、幸運も実は「前もって備えること」が必要です。
なぜなら、チャンスというのは準備ができている人の前に現れるものだからです。
この準備こそが、前の項目でご紹介した「5つの習慣」です。
- 興味を持つ
- 行動を起こす
- 継続する
- ラッキーを記録する
- 知識を増やす
こうした日々の積み重ねが、思いがけない偶然と出会ったときに、それをチャンスとしてつかむための力になります。
逆に準備をしていないと、
といったことが起こりやすくなるのです。
かつての偉人も、幸運についてこのような言葉を残しています。
「幸運は用意された心のみに宿る」
ルイ・パスツール(フランスの細菌学者)

準備不足でチャンスを活かせなかった経験は、私もたくさんあります。
「幸運が巡ってきたときに何が必要か」を一度じっくり考えてみるのも良いと思います。
「幸運を引き寄せる人」の考え方

ここまで読んで、
「なんだかすごくがんばらないと運はコントロールできないのかも…」
と感じた方もいるかもしれません。
そんなときは、「思考を少しだけ変える」ことから始めてみませんか?
最後に、幸運が近寄ってくる人になるために大切な考え方をご紹介します。
小さな意識の変化が、未来の偶然を引き寄せる第一歩になります。
何をもって「運が良い」と思うのか
同じできごとでも、それを「幸運」と捉えるか「不運」と捉えるかは、人によってまったく違います。
例えば、エレベーターが故障していて利用できなかったとき、
これは簡単にいえば、ポジティブ思考かネガティブ思考かの違いです。
でももう少し踏み込んで考えると、ポジティブな人は中立的なできごとさえ、自分の選択で「幸運としてカウントしている」ということなのです。
考え方をほんの少し前向きにするだけで、生活を何ひとつ変えなくても「幸運を感じる回数」を増やすことができます。
もし、「そんなにすぐポジティブにはなれない…」と思うなら、まずはこう口にしてみてください。
「私は運が良い!」
心理学の実験でも明らかになっているように、「思い込みの力」はとても強力です。
言葉にすることで、自分のなかの意識そのものが、少しずつ変わっていきます。
ネガティブな感情をポジティブな言葉に変換する方法をまとめた、こちらの記事も参考にどうぞ。
人とのつながりを大切にする
もうひとつ、誰にでもできて、なおかつとても重要なことがあります。
それは、人とのつながりを大切にすることです。
なぜなら、幸運を運んできてくれる存在の多くは、偶然ではなく「人」だからです。
こうしたきっかけの多くは、人との関係のなかで生まれます。
自分の大切な人に対して、「何かしてあげたい」「力になりたい」と思う気持ち。
このシンプルな優しさこそが、幸運を生み出す種になるのです。
だからこそ、
といった、ごく基本的なことを守るだけでも、運を味方につける力は少しずつ育っていきますよ。
「心ごと伝わる優しい言葉」の例をまとめた、思いやりフレーズ集もあります。ぜひこちらにも目を通してみてください。

何かを頑張れる強い人だけが、
運をコントロールできるというわけではありません。
まずは無理せずにできる、身近なことから始めてみましょう♪
まとめ
今回は、「運を自分でコントロールする方法」についてご紹介しました!
「運をコントロールする」とは偶然を操ることではなく、行動や気づきを増やして、幸運が発生する確率を上げることです。
この記事でお話ししたことを意識するだけで、
こうして、幸運がめぐるポジティブループが生まれます!
「運も実力のうち」という言葉は、決して大げさな話ではありません。
運は、自分の意識と行動次第で変えていけるのです。
運を味方につけるのに、特別な才能や能力はなくても大丈夫です。
チャンスを見つける目と、拾う手さえあれば、きっとあなたの毎日は変わっていきますよ♪
- ローカス・オブ・コントロール(統制の所在):Locus of Control Theory In Psychology: Definition & Examples(Simply Psychology)※英語サイト
- セレンディピティ:Towards a Theory of Serendipity: A Systematic Review and Conceptualization(wiley online library)※英語サイト
- トースト実験:Tumbling toast, Murphy’s Law and the fundamental constants(ResearchGate)※英語サイト
- 新聞実験:『ハーバード、スタンフォード、オックスフォード…科学的に証明された すごい習慣大百科 人生が変わるテクニック112個集めました』堀田秀吾,2025年,SBクリエイティブ※一般向け書籍
- ネガティビティバイアス:Roy Baumeister et al. (2001). Bad is stronger than good. Review of General Psychology, 5(4), 323–370.
※本記事は心理学・科学の研究に基づく一般的な知見を紹介するものであり、専門的な診断・助言ではありません。





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