スキマ時間まで頑張ることに、ちょっと疲れたあなたへ

こころ

ちょっと予定が空いた…スキマ時間ができたとき、あなたは何をしますか?

  • 通勤中に耳から学べるオーディオブックを聞く
  • 待ち時間にスマホで英語の勉強
  • 寝る前に日記を書いて思考を整理する

スキマ時間がうまく活用できると、充実感が得られたり、満足度も上がったりしますよね。

でも、「なんだか今日は頑張れないな」と感じる日も、きっとあるはずです。

そのまま時間が過ぎていって、何もしていない自分に焦ってしまうことはありませんか?

もしかしたらそれは、
「時間は有効に使わなきゃいけない」
という思い込みに、知らず知らず縛られているのかもしれません。

スキマ時間まで頑張ることに疲れてしまった。
そんなあなたにこそ、この記事を読んでいただきたいと思っています。

どうしてスキマ時間まで埋めようとするの?

スマホの普及により、私たちはいつでもどこでも情報にアクセスできるようになりました。

娯楽だけではなく、学習や自己成長につながるアプリも今は豊富にあります。

常にスマホを持ち歩く生活が当たり前になったことで、空いた時間にできることの選択肢が圧倒的に広がったのです。

加えて、YouTubeやSNSで話題になる時間術コンテンツの影響も大きいでしょう。

いつしかスキマ時間は、

「空白」ではなく「自己管理のチャンス」

として捉えられるようになりました。

それ以外にも、スキマ時間の活用が注目されるようになった背景には、こんな流れがあります。

  • 成果主義の風潮
    「時間=成果」と考え、何かしていないと時間を無駄にしている気がする。
  • SNSの影響
    忙しくても努力を続ける人の投稿が目に入り、「自分も頑張らなくては」と無意識に思ってしまう。
  • 効率化ブーム
    あらゆる行動を最大効率でこなすのが正しい、という価値観が広がっている。

でも、これってまるで、

「人生のすべての時間を有効活用しなさい」

と圧をかけられているようなものではないでしょうか。

本来スキマ時間は、「空いているから何かできるかも」という気楽な余白だったはず。

それが今では、「何かしないと不安になる時間」へと変わってしまったのかもしれません。

「時間の有効活用」のプレッシャー

現代の「スキマ時間を活用しよう」という風潮。

これはかつて一世を風靡した、「24時間戦えますか」という言葉に少し通じるところがあります。

【「24時間戦えますか」とは?】
1980年代、栄養ドリンク「リゲイン」のキャッチコピーとして広まった言葉です。
企業戦士・モーレツ社員といったがむしゃらな働き方が当たり前だった、仕事第一主義の時代背景を的確に反映したフレーズでした。
※ちなみに、販売元の第一三共ヘルスケアは「元気に頑張る人をサポートするドリンク」と説明しており、実際に24時間働くことを推奨していたわけではありません。

この「24時間戦えますか」が象徴していたのは…

  • 肉体的な長時間労働を美徳とする価値観
  • 休むことに罪悪感を感じさせる空気
  • 自分の限界を超えて働くことこそ正義、という精神

今で言うところの、ブラック企業的な感覚に近いですよね。

では、現在流行している「スキマ時間の活用」はどうでしょうか。

  • 自分磨きや自己実現を名目にした、精神的な自己圧迫
  • 表面的にはポジティブだけど、埋めないと成長できないという焦燥感を生む構造
  • SNSで見かける努力する人たちとの比較により、自分にダメ出しをしてしまう毎日

目的は違っても、自分を休みなくフル稼働させる構図は同じだと思いませんか?

こうした取り組みを、
「自己投資が楽しくて、一秒だって無駄にしたくない!」
と心から思って行っているなら、それは素晴らしいことです。

でも、もしそれが「やりたい」ではなく「やらなきゃ」になっているとしたら──

それはもう、趣味や成長ではなく、タスクやノルマと変わらない苦しいものになってしまいます。

自分のためなのだから平気…本当に?

「昔は会社に命令されていたけど、今は自分のためにやっているんだから、一緒にするのは違うんじゃない?」

このように感じる方も、きっと多いと思います。

その気持ちはとてもよくわかります。
誰かに言われてやるのと、自分で決めて動くのとは、まるで違いますよね。 

もちろん、苦しくないのならそれでいいのです
夢中で取り組めているのならむしろ素敵だと思いますし、自分のための努力は何より強い原動力でもあります。

でも、どこか「しんどさ」や「焦り」を感じるのであれば、少しだけ立ち止まってみてほしいのです。

現代は、自分で選んだように思わせる情報や仕組みが、私たちの周りにあふれています。
そのなかで気づかないうちに、休むという選択肢を自分から手放してしまっているかもしれません。

休むことは、本当に無駄なこと?
何もしなければ、「スキマ時間を活かせなかった」ことになるの?

そんなふうに感じるときがあったら、どうか思い出してください。

「時間を何にも使わない」ことも、ひとつの立派な選択です。

時間は誰かのためのものではなく、あなただけのもの。
だからこそ、人生のすべてを有効活用しなくても、大丈夫です。

「何もしないスキマ時間」を選択してもいい

ふと訪れた余白の時間に、何かをするのも、何もしないのも自由です。
その瞬間の自分にとって、心地よいと感じる選択をしてみましょう。

  • 何もしないで外を眺める
  • 目を閉じて、ぼんやり過ごす
  • 本を開いたまま、1行も読まないで終わる

こういった時間の使い方は、一見するとたしかに生産的ではないかもしれません。

でも、もともとスキマ時間とは、予定と予定の間にできたちょっとした時間のこと。

次の予定を頑張るために、ひと息つくだけだって、十分ではないですか?

時間単位ではなく、一日という単位で見れば、バランスがとれていることもあります。

「何かする」と「何もしない」の、どちらを選んでもいい。
そう思うだけで、時間との付き合い方が少し楽になるはずです。

疲れたときの休み方について書いた別記事もありますので、よかったらこちらも合わせてお読みください。

まとめ

「時間を無駄にしたくない」
「空いた時間も有効に使いたい」

そう思う気持ちは、とても前向きで素敵です。
実際にその積み重ねが、大きな成長や変化につながることもあります。

けれど、「成長」や「充実感」は、本来あなたの心が満たされてこそ得られるもの
焦りや義務感に変わってしまったら、その輝きは失われてしまいます。

スキマ時間を埋めることが「心の余裕を削ること」になっていないか、ときどき立ち止まって、見つめ直してみてください。

そして、そんなときは、またこのページに戻ってきてくださいね。
あなたがホッと一息つける場所であれたら嬉しいです。

「頑張りすぎずに何かできることはないかな」と思った方には、こちらの記事がオススメです。ゆるくスキマ時間を活用する方法についてまとめてあります。

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