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「わかる!」に流されないために。自分の気持ちを自分の言葉で残すコツ

ことば
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SNSの投稿を見て、「まさにそれ!」とうなずくことって、ありますよね。

まるで自分の気持ちに名前をつけてもらえたような気がして、ホッとすることも。

けれど、少し時間が経つと…

「あれ、自分は本当はどう感じていたんだっけ?」

そんなふうに、感情の輪郭がぼやけてしまうことはないでしょうか。

誰かの言葉に救われることは、たしかにあります。

でも、そればかりに頼っていると、いつのまにか「他人の感想」で上書きされてしまうこともあるのです。

この記事では、そんな「言葉の上書き」から自分の気持ちを守るために必要な、自分の言葉で言語化する力について解説していきたいと思います。

こんなアナタに読んでほしい
  • 人に影響を受けやすく、自分の意見を見失うことがある
  • SNSで発信するとき、うまく言葉にできない
  • もっと「自分らしい言葉」で感じたことを伝えられるようになりたい

ネットに広がる「言語化された感情」の光と影

SNSには、すでに多くの人が言葉にしてくれた「感情の見本」があふれています。

自分が感じたことと同じ意見に出会えると、

「そうそう!」「わかる!」

という安心感や、共感のあたたかさを得られます。

また、自分とは違う角度から見た感想に出会うことで、新しい発見があることもあります。

「そういう見方もあるのか!」と視野が広がるのも、大きな魅力です。

でも、そのあたたかさや便利さには、落とし穴があります。

ほかの人の感想をたくさん読むうちに、

「もともと自分はどう思ってたんだっけ?」

と、ふとわからなくなることがあるのです。

例えば、自分がとても気に入った小説の感想をSNSで見ているときに、

  • 「おもしろくなかった」
  • 「退屈だった」

といった意見がたくさんあると、

  • 自分の「良かった」という感想が、間違っているような気がしてくる
  • 「たしかにそうかもしれない…」と思いはじめてしまう

ほかの人の感想を読むことで理解が深まるというのも、よくあることです。

ですが読みすぎると、自分の感じたことが「なかったこと」になってしまうこともあるのです。

このように、「すでに言語化された感情」は、便利さと危うさの両方を持っています。

だからこそ、私たちはときどき立ち止まって、

「私は本当はどう感じたんだろう?」

と問い直す必要があるのです。

人の言葉に流されないために、できること

ほかの人の言葉に頼らずに、自分の感情を言語化するためには、「どう感じたか」を自分の中に留めておく時間を持つことが大切です。

  • すぐに検索せず、自分の感情に耳を澄ませてみる
  • うまく言葉にならないときは、いったんそのままにしてみる
  • 誰かの言葉で心が動いたら、自分の言葉に直してみる
  • 誰にも見せない「ひとりごと」を書いてみる

ここでは、そのためにできる4つの工夫を紹介します。
意識していると、「自分の感情の声」が少しずつ聞こえやすくなります。

①すぐに検索せず、自分の感情に耳を澄ませてみる

映画や小説、マンガを読んだあと。
話題のスポットに出かけたあと。
あるいは、衝撃的なニュースを知ったあと――。

つい反射的に、SNSで「みんなはどう思ったんだろう」と調べてしまうことって、ありませんか。

ほかの人の意見が気になるのは、ごく自然なことです。

でも、自分の感情を知るためには、「すぐに調べる」という行動を少しだけあとまわしにしてみましょう。

自分の中に浮かんだ感情を、そのまま味わう時間をつくるのです。

たとえば映画を観て心が動いたとき、自分にこう問いかけてみてください。

  • 「胸が熱くなったのは、どの場面だっただろう」
  • 「あのセリフを聞いたとき、なぜ涙が出たんだろう」
  • 「ラストシーンを見て、自分は何を感じたんだろう」

情景やセリフを思い出しながら、自分の心に刺さったポイントをひとつずつ拾い集めてみるのです。

それは、感情を言葉に変えるための練習でもあります。

誰の意見も挟まず、自分の感じ方に静かに耳を澄ませてみる。

この時間があるだけで、「これは私が感じた気持ちなんだ」と自信を持てるようになっていきます。

②うまく言葉にならないときは、いったんそのままにしてみる

思ったことがあるはずけど、言葉にするのが難しい…」

そんなときは、無理に言葉を探そうとしなくても大丈夫です。

ノートやスマホのメモに「○○のところが、なんだか気になった」と、ざっくり書いておくだけでも構いません。

しばらく時間を置いて見返すと、

  • 「あのとき感じていたのは、悔しさだったのかもしれない」
  • 「本当は、羨ましさの裏返しだったのかも」

そんなふうに、新しい視点で見えてくることがあります。

あるいは、頑張って探そうとしなくても、誰かと話しているうちに腑に落ちることもあります。

心が整理されるタイミングを待っていれば、自然と答えが見つかることもあるのです。

③誰かの言葉で心が動いたら、自分の言葉に直してみる

心に響く言葉に出会ったら、その言葉を自分の表現に置き換えてみるのがオススメです。

そのためにはまず、

  • 「この言葉に共感したのはなぜだろう?」
  • 「この表現のどこに、自分の気持ちが重なったんだろう?」

と、ひと呼吸おいて考えてみるのです。

人の言葉を答えにしてしまうと、そこで思考が止まってしまいます。

けれど、「その人が感じたこと」と「自分が感じたこと」は、似ていたとしてもまったく同じではないはずです。

誰かの言葉に感動したときこそ、それをきっかけにして、自分の心のなかにある「同じようで違う言葉」を探してみましょう。

それが、「自分の感情を自分の言葉で育てる」ということです。

④誰にも見せない「ひとりごと」を書いてみる

誰にも見せないことを前提に書いてみることで、心の奥にある「本当の声」が出てくることがあります。

人の目や評価を気にしなくていいと、書くことが自由になり、思考がゆるみはじめるのです。

日記でも、箇条書きでも、メモの断片でもOK。
慣れないうちは、ひとことだけでもいいのです。

  • 「今日はなんとなく疲れた」
  • 「あのニュース、胸の奥がざわついた」

これだけでも、立派な感情のかけらです。

誰にも見せないからこそ、飾らない、嘘のない言葉が生まれます。
それは、自分の気持ちにそっと光を当てる作業でもあります。

「誰にも見せない文章」は自分の心と向き合う練習として、優しい出発点になるのです。

自分の感想を大切にすると、見えてくるもの

「人とちょっと違う」と感じたところに、自分らしさがある

「この感想、すごく共感するんだけど…ここだけはちょっと違うかも」

人の意見に触れたとき、このような小さな違和感を覚えることも、ときどきあるかもしれません。

「違うかも」という気持ちの中には、あなただけの感情が眠っている可能性があります。

  • あの場面では少しさびしさを感じた
  • 他の人は怒っていたけれど、私はなぜか笑ってしまった

このような「少しのズレ」こそが、あなたらしさです。

人と同じように感じる部分にも意味がありますが、自分だけがちょっと違った視点を持てることには、それ以上に大きな価値があります。

このズレを「間違い」と思わずに、拾っていく。
そうすることで、自分の感情に輪郭が生まれ、個性が少しずつかたちになっていきます。

「みんなと違う」は、あなただけの感性が顔を出した瞬間なのです。

「自分だけの好き」がはっきり見えてくる

自分は何が好きで、何が苦手なのか。
どんなことに心が動いて、どんなことに冷めてしまうのか。

感想を言葉にして積み重ねていくと、そうした自分の「好き・嫌い」が少しずつ見えてきます。

例えば、感想を書きながら、

  • 「自分は人の成長に共感するタイプかも」
  • 「静かな余韻のある作品に惹かれるな」

と気づくことがあります。

言語化を続けるうちに、自分の価値観や世界観(=好みの地図)がだんだん明確になっていくのです。

この地図を持っていると、新しいものに出会ったときも、

「これはきっと好き」「これは違うかも」

という、直感が冴えてきます。

さらに、自分の「好き」を発信していくことで、それを見た人が「あなたはこれも好きかも」と教えてくれる――。

そんなつながりが生まれることもあります。

自分だけの感想には、新しい「好き」を引き寄せる力があるのです。

自分の感情を、自信をもって引き受けられる

「感情に責任を持つ」

そう聞くと、少し重たく感じるかもしれません。
まるで、自分の意見を正しいと証明しなければならないような気がしてしまいますよね。

でも、ここでいう「責任」とは、もっと個人的で、やさしい意味です。

例えば、誰かに「その考え、ちょっと違うんじゃない?」と言われたとき。

「そうかもしれないけれど、私は確かにそう感じたんだ」

そう自信を持って言えること。
それが、感情に責任を持つということです。

自分の中で「これは本心だ」と感じられていれば、人に否定されてもすぐには揺らぎません。

反対に、「だって、あの人が言っていたから」と誰かの意見を借りて話していると、指摘された瞬間に自分の言葉が崩れてしまいます。

感情の責任とは、「正しいどうか」ではなく、「たしかにそう感じた自分」を認めること

本心を自覚できたとき、私たちはようやく、人に左右されない静かな自信を持てるようになるのです。

自分で言語化した感情は、揺らがない

ここまでに挙げた、「自分の感情を言葉にする魅力」を、あらためて整理してみましょう。

  • 人とのちょっとしたズレ → 個性を楽しむ
  • 価値観や世界観の明確化 → 好みを知る
  • 感情の「正しさ」より「責任」をとれるかどうか → 自信になる

個性、好み、自信。
これらは、どれも「自分という人間」を形づくる大切な核です。

だからこそ、自分の内側から生まれた感情には、芯が通っています。

それは、SNSやほかの人の感想の中を探しても、どこにも落ちていません。
自分の中でしか見つけられない、「揺らぐことのない感情」なのです。

自分の感情を、自分の言葉で表せたとき、ようやくそれは「生きた言葉」になります。

誰に認められなかったとしても、たしかに存在する、「あなただけの真実」なのです。

おわりに

今回は「”言葉の上書き”から自分の気持ちを守るコツ」というテーマで解説しました!

世の中には、心に響く言葉がたくさんあります。
けれど、それは「誰かの言葉」であって、「自分の気持ち」そのものではありません。

だからこそ、ときどき立ち止まって、「私は本当にそう感じたのかな?」と問いかけてみる。

問いをきっかけに、自分の中に眠っていた感情が少しずつ言葉になっていきます。

それはもう、誰かの言葉ではなく、あなた自身の言葉です。

試しに今日のおわりに、心の中に浮かんだ「自分だけの感想」をひとつ書き留めてみませんか。

その小さな一行が、あなたの気持ちを「なかったこと」にしないための、最初の言葉になるかもしれません。

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