人間関係がうまくいかない。
仕事で失敗をした。
誰かを怒らせてしまった。
そんなときに、
「全部、自分が悪いんだ」
と落ち込んでしまうことはありませんか?
自分を振り返ることは、もちろん大切です。
でも、その振り返りが「自分を責めること」に変わってしまうと、心はどんどん苦しくなります。
この記事では、
「何かあるたびに、自分が悪いと思ってしまう」
という人に向けて、
原因と責任の違いを整理しながら、自分を責めすぎないための考え方をご紹介します。
「自分に変えられることは何だろう?」
「本当に自分だけの問題なのかな?」
と、一歩引いて出来事を見つめ直すための、ヒントになれば嬉しいです!

記事のなかで特に大切な部分をまとめた、3分で聴ける音声版もあります。
移動中や休憩時間、文字を読むのが少しつらいときなどは
こちらを聴いてみてくださいね。
自分を責めてしまう理由

自分を必要以上に責めてしまうのには、いくつかの理由があります。
その中でも、よくある理由を4つご紹介します。
- 真面目で責任感が強い
- 自己肯定感が低い
- 過去に人から責任を押し付けられたことがある
- 人間関係を壊したくない
①真面目で責任感が強い
真面目で責任感の強い人は、自分を責める傾向を持っていることがあります。
何かトラブルが起こったときに、
「自分にもできることがあったのでは?」
と考えることが多くなるのです。
この考え方は行き過ぎると、どんなことでも「自分で処理できたはず」と背負い込んでしまうことがあります。
自分にも原因があった ⇒ だから自分の責任
と、責任の範囲を広げすぎてしまうのです。
②自己肯定感が低い
自分に自信がないと、
「自分は失敗する人間だ」
「人に迷惑をかける人間だ」
という前提で物事を見てしまうことがあります。
そのため、なにか問題が起こったときに
など、さまざまな悪い考えが頭の中を巡ってしまいます。
その結果、
「私のせいかもしれない」
という結論にたどりつきやすくなります。
本当はいくつもの要因が絡んでいる出来事でも、自分だけに原因があるように感じてしまうのです。
③過去に人から責任を押し付けられたことがある
学校や家庭などで、子どもの頃から事あるごとに責められた経験がある人もいると思います。
といったような言葉を繰り返し言われていると、問題が起きたときにまず自分を疑うようになってしまいます。
自分に原因を求めることでその場を乗り切ろうとしてきた結果、
「何かあったら自分が悪い」
と考えることが習慣になってしまうのです。
こうした反応は、自分を守るために自然と身についたものです。
そのため大人になってからも、無意識のうちに同じ考え方を繰り返してしまうことがあるのです。
④人間関係を壊したくない
人間関係を守るために、自分が悪者になることを選んでいる場合もあります。
相手にも原因があると認めてしまうと、
という、人間関係の負荷が発生します。
人との会話の中で、
「ここで反論したら空気が悪くなりそう」
「私が我慢すれば済む」
と考えたことは誰でも少なからずあるのではないでしょうか。
トラブルが起こるくらいなら、
「私のせいだったことにしよう」
と矛先を自分に向けたほうが、楽に思えることがあります。
「自分が悪い」と思い込むことは、人との関係を円満に保つための防衛反応でもあるのです。

ひとことで「自分が悪いと思ってしまう」と言っても、背景は人それぞれです。
ご紹介した理由がひとつだけ当てはまることもあれば、
複数が重なっていることもあります。
「自分を振り返ること」の強み

ここまで、「自分を責めてしまう理由」についてお話ししてきました。
ただ、誤解してほしくないのは、自分を振り返ること自体は本来悪いことではないという点です。
「自分にも改善できる部分がなかっただろうか」
と考えられるのは、大きな長所でもあります。
続いては、自分を振り返ることができる人の強みについて見ていきましょう。
自分の行動を見直せる
原因を自分に求め、
「自分で変えられる部分はどこだろう」
と考えることは成長につながります。
他人や環境は、自分の力だけでは変えられないことがほとんどです。
一方で、自分の行動や考え方は改めることができます。
だからこそ、反省できる人は改善のチャンスを見つけやすいのです。
相手の立場を想像できる
自分を振り返る習慣のある人は、
「あのとき、相手はどんな気持ちだっただろう」
と、自分だけでなく相手の様子まで思い出すことがあります。
相手の立場にも目を向けられる人は、人とのつながりを大切にできる人でもあります。
結果として、それがより良い人間関係を作ることにつながっていくのです。
問題解決に向かいやすい
起きたことを振り返り、自分や相手を客観的に見ることができると、「何が問題だったのか」が見えやすくなります。
すると、「原因探し」だけで止まらずに、
「次はどうすればうまくいくだろう」
と、その先まで考えられるようになります。
問題解決が得意な人は、実はこうした振り返りを自然に行っていることが多いのです。

自分を振り返ることには、たくさんのメリットがあります。
「起きた出来事の原因を、自分の中に探す」という考え方は、
『原因自分論』として多くの人に支持されています。
【原因自分論】
「起きた出来事の原因を、自分の中に探す」
という考え方を、「原因自分論」と呼ぶことがあります。
これは、
- 他人を変えようとしない
- 自分にできることを考える
- 主体的に行動する
といった考え方を体系化したものです。
「自分に変えられる範囲」に目を向けることで、前向きに行動できるようになったり、問題解決につながることもあります。
自分を責めてしまうのは、「原因」と「責任」を混同しているから

「自分を振り返る」という長所が苦しいものに変わるのは、
「自分にも原因があった」が、「全部自分が悪い」に変わってしまったときです。
自分を責めてしまう人は、
原因が自分にある ⇒ 起きたことの責任もすべて自分が負わなければならない
と考えてしまうことがあります。
例えば、あなたが仕事でミスをしてしまい、上司から怒鳴られたとします。
このとき、
「自分のせいで上司を怒らせてしまった」
と思うかもしれません。
でも、状況を細かく切り分けると、
となります。
相手がミスをしたときにできる行動は、
など、他にもたくさんありますよね。
その中で、「怒鳴る」という手段を選んだのは上司自身です。
つまり、
ミスの原因は自分にあるかもしれない。
でも、「上司が怒鳴るという選択をした責任」まで自分が負う必要はない。
ということです。
このように、自分を責めてしまう人は、
をまとめて引き受けてしまっていることがあります。
しかし、本来これらは切り分けて考えてよいものなのです。

原因を振り返ることと、
相手の行動の責任まで背負うことは
似ているようで全然違うのです。
自分を責めてしまうときの考え方

では実際に、
「やっぱり自分が悪いんだ」
と思ってつらくなってしまったときは、どう考えればよいのでしょうか。
ここでは、自分を責めてしまうときに意識したい考え方をご紹介します。
自分が変えられる範囲のことに注力する
世の中には、
- 相手の行動、価値観
- 周囲の環境やタイミング
- 運や偶然による出来事
など、自分だけではコントロールできないことがいくつも存在します。
このような「自分では変えられないもの」まで全部背負おうとすると、心が疲れてしまいます。
そんなときは、
など、「自分以外の要素」も念頭に置いて考えてみることが大切です。
自分が変えられる部分に意識を向けるということ。
それだけに力を使うようになると、必要以上に自分を責めることも少しずつ減っていくでしょう。
【課題の分離】
アドラー心理学には、「課題の分離」という考え方があります。
これは簡単に言うと、
「どこまでが自分の問題で、どこからが相手の問題なのかを整理する」
というものです。
この記事でお話ししている、「責任の範囲を整理する考え方」とも共通する部分があります。

課題の分離については、
『嫌われる勇気』という有名な書籍でわかりやすく解説されているので、
興味がある方はぜひ読んでみてください。
会話形式なので、心理学の本が苦手な方でも比較的読みやすいと思います。
「自分が悪い」の根拠を考える
「自分が悪い」と思うことは、見方を変えれば自分を省みることができた証でもあります。
ただ、「自分が悪い」という結論だけで終わってしまうと、そこで成長が止まるだけでなく、精神的にも苦しくなってしまいます。
そこで一度立ち止まって、
「なぜ私は自分が悪いと思ったのだろう?」
と考えてみましょう。
具体的には、
といった根拠をひとつずつ確認していくことで、「今後何を気をつければいいのか」が見えてきます。
また、根拠を深掘りしていく中で、
「これは相手の選択で起きたことかもしれない」
「環境にも原因があったのかもしれない」
と別の要因に気づくこともあります。
前の項目でご紹介した「課題の分離」も、「これは自分が引き受けるべき問題なのか」を整理する助けになります。
「感情」まで否定しないようにする
自分を責めてしまうときは、自分の感情まで否定してしまわないようにしましょう。
例えば、
といったことを、考えてしまうことがあるかもしれません。
でも、感情は良い・悪いで判断するものではないのです。
嫌なことがあれば悲しくなりますし、理不尽なことがあれば腹も立つでしょう。
自分を責めてしまうときは、
「私にも原因があったかもしれない。でも、悲しいと感じるのも自然なことだ」
と、自分の気持ちにOKを出してみてください。
出来事と感情を切り離して考えられるようになると、心も少しずつ安定していきます。

「自分が悪い」と思うことは、相手への思いやりの表れでもあります。
ときにはその優しさを、自分自身にも向けてあげてくださいね。
まとめ
今回は、「自分を必要以上に責めてしまう理由と、その向き合い方」についてご紹介しました!
自分を責めてしまうのは、「自分を省みることができる」という長所の裏返しでもあります。
ただ、「全部自分が悪い」と背負い込み、原因と責任をまとめて引き受けてしまうと、心がつぶれてしまいます。
だからこそ、
「自分に変えられる範囲はどこまでだろう?」
と、冷静になって考えてみる姿勢が大切です。
この問いかけが、自分を責めることから解放されるための第一歩になるかもしれません。
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