「原因自分論」という考え方を知っていますか?
SNSや自己啓発本などでもよく取り扱われているため、気になっている方もいるかもしれませんね。
原因自分論は、
「起きた出来事の原因を、まず自分の中に探す」
という考え方です。
人生をより主体的に考え、前向きになれる一方で、使い方を間違えると
「全部自分のせい」
と苦しくなってしまうこともあります。
この記事では、
について、わかりやすく解説していきます!

「自分にできることに目を向ける」とはどういうことなのかを、
一緒に整理していきましょう♪
原因自分論とは?基本的な考え方

「起きた出来事の原因を、まず自分の中に探していく」
というのが、原因自分論の基本となる考え方です。
もう少し細かく言うと、
となります。
例えば、人間関係でうまくいかないことがあったとき、
「あの人が悪い」
と、はじめから決めつけるのではなく、
といったように、まず自分にできることがなかったかを考えてみる。
こうして自分の内側に目を向けることで、行動の改善点が見つけやすくなります。
つまり原因自分論とは、
「自分に原因を探すことで、自分の人生や現実をより良くしていこうとする考え方」
なのです。

原因自分論は、「物事を主体的に捉えるための考え方」ともいえそうですね。
原因自分論のメリット

原因自分論を生活に取り入れることで、物事の捉え方が変わり、生きやすさへとつながることがあります。
ここでは、代表的なメリットを4つご紹介します。
- 人生の主導権を握る感覚が生まれる
- 成長の機会に変えられる
- 感情に振り回されにくくなる
- 人間関係が穏やかになる
①人生の主導権を握る感覚が生まれる
原因自分論では、「どんな状況でも、自分にできることはある」と考えます。
そのため、何か問題が起きたときに、他人や環境のせいにすることが減り、
「まずは自分の行動に目を向ける」
という習慣が身についていきます。
この積み重ねによって、
「人生は自分の行動次第で変えていける」
という、人生の主導権を握る感覚が育っていきます。
自分で選び、自分で行動をする経験は、増えていくほどに自信や満足感につながります。
②成長の機会に変えられる
生きていれば、うまくいかないことや失敗をすることもありますよね。
そんなとき、原因自分論で考えていると、
「この経験から何を学べるだろう?」
と、未来に目が向くようになります。
ただ落ち込んで終わるのではなく、
と振り返ることで、失敗を次に活かすことができるのです。
原因自分論は、
逆境を「ただの失敗」で終わらせず、成長のきっかけに変える力
を持っています。
こうした積み重ねが、結果的に問題解決力を育ててくれるのです。
③感情に振り回されにくくなる
「環境が悪い」
「あの人がひどい」
と嘆いてしまうことも、ときにはあるかもしれません。
でも、「自分以外のもの」を中心に考えていると、改善の余地が見えにくくなり、苦しい気持ちが続いてしまうことがあります。
また、
「あの人が変わらない限り何も変わらない」
と思ってしまうと、「自分ではどうにもできない」という無力感にもつながります。
原因自分論では、相手や環境を見るのではなく、
「自分にできることは何か?」
に目を向けます。
そうすることで、感情の主導権が少しずつ相手から自分へと戻ってきます。
その結果、冷静に物事を考えられるようになり、感情に振り回されにくくなるのです。
④人間関係が穏やかになる
自分の中に原因を求めるようになると、
「相手が悪い」
と決めつけることが少なくなっていきます。
すると、
と、出来事を広い視点で見られるようになります。
こうした視点を持てるようになると、相手に対する怒りや苛立ちも自然と落ち着いていきます。
また、他者への攻撃性が和らぐことで、不要な衝突も減っていきます。
それによって相手との関係を築きやすくなり、人間関係全体が穏やかになっていくのです。

こうしてメリットを見ていくと、原因自分論は
「自分に変えられる範囲を見極め、その中でより良くしていく考え方」
といえそうですね。
原因自分論の注意点

原因自分論は、物事を主体的に捉えるのに役立つ考え方です。
ただ、使い方によっては自分を追い詰める原因になることもあります。
ここでは、原因自分論を考えるうえで気をつけたいポイントをご紹介します。
行き過ぎると、「全部自分のせい」と思ってしまう
原因自分論は本来、「人や環境のせいにせず、自分にできることを探す」という考え方です。
でもこれが行き過ぎてしまうと、
「全部自分が悪い」
という考え方に変わってしまうことがあります。
原因自分論は自分の中に原因を探すことはあっても、それをただ責めて終わるものではありません。
にもかかわらず苦しくなってしまうのは、
「全部自分でなんとかできることだ」
と思い込んでしまっているからです。
実際には、相手の気持ちや行動、環境やタイミングなど、自分では変えられないこともたくさんあります。
そのため、「自分に変えられる部分」と「自分には変えられない部分」を見分けることが、心を守るうえで大切になってくるのです。
「自己責任」との違い
原因自分論は、あくまでも自分自身に向ける考え方です。
自分の人生や出来事を振り返りながら、より良い方向へ進もうとします。
でも、これを他人に向かって、
「あなたの中に原因がある」
と言い始めてしまうと、それは原因自分論とは違うものになります。
なぜなら、相手には相手の事情や価値観があり、周囲には見えていない背景もあるからです。
それを無視して、一方的に原因自分論の型に当てはめてしまうと、
「それはあなたの責任だ」
という自己責任の押し付けになる可能性があります。
自己責任という考え方には、「自業自得だから仕方ない」と相手を切り捨てる側面があります。
また、本来はその人だけの責任ではないことまで、まとめて背負わせてしまうことも考えられます。
原因自分論の考え方を取り入れるかどうかは、個人が決めるもの。
「自分のために使う考え方である」という認識を忘れないことが大切なのです。

原因自分論は、自分の人生を良くするための考え方であって、
「誰もがこう考えるべき」と人に強要するものではないということですね。
原因自分論とうまく付き合う実践方法

原因自分論は生きるうえでプラスとなる考え方ですが、先ほどご紹介したような注意点もあります。
最後に、原因自分論とうまく付き合っていくための実践方法をご紹介します。
「自分に変えられること」だけに目を向ける
原因自分論を実践していくうえで大切なのが、
「自分で変えられること」と「自分では変えられないこと」を分けて考える姿勢です。
例えば、「職場環境が悪い」という悩みがあったとします。
この問題を「自分で変えられること・自分では変えられないこと」に分けたときの例を挙げてみます。
| 自分で変えられること | 自分では変えられないこと |
|---|---|
| ・職場での振る舞い方 ・人との付き合い方 ・自分の受け取り方 ・人に相談するかどうか ・学び方や作業の仕方 ・転職するかどうかの判断 | ・他人の行動、考え方、感情 ・他人からの評価 ・勤務地 ・会社のルール ・過去に起きた出来事 ・偶然起きた出来事 |
「自分では変えられないこと」に共通しているのは、自分に主導権がない(介入できない)ことです。
こうしたものは、多くの場合自分がどれだけ悩んでも直接変えることはできません。
一方で、原因自分論は「どんな状況でも、自分にできることはある」と考えます。
ただし、これは「何でも自分で変えられる」という意味ではなく、「出来事の中の、自分に変えられる部分を探す」という意味です。
自分に主導権がないものまで、自分ごととして背負うのは違います。
大切なのは、
自分に変えられる範囲を整理したうえで、その中でどう行動するかを考えること。
この視点を持つことで、必要以上に苦しまずに前へ進むことができるのです。
内省よりも改善を大切にする
「原因を自分に探す考え方」と聞くと、「内省」をイメージする人も多いかもしれません。
もちろん、自分を振り返ることはとても大切です。
でも、
「何がダメだったんだろう」
と考え続けるだけでは、気持ちが重くなるばかりで前に進めなくなることもあります。
大切なのは、内省だけで終わらずに、「次はどうするか」という未来に意識を向けることです。
例えば、
このように、次にできる行動を考えることで、失敗や後悔は「学び」に変わります。
原因自分論は、過去を責めるためのものではなく、未来をより良くするためのもの。
そう考えると、少し捉え方が変わってくるかもしれません。
「つらい」と感じたら一度立ち止まる
原因自分論を真摯に続けているうちに、
「全部自分が悪い」
という気持ちが強くなってしまうことがあるかもしれません。
もし、
といった状態になったときは、原因自分論が「自分を追い込むもの」に変わってしまっている可能性があります。
そんなときは、一度立ち止まって、
今、自分が「原因」だと思っているものは、本当に自分が背負うべきものなのか?
と、整理してみることが大切です。
この整理は「他責」とは違い、「自分にできる範囲」を明確にするために必要なことです。
「全部自分が悪い」と感じてしまうときの考え方については、別の記事で詳しく解説しています。
つらくなったときは、よかったらこちらも参考にしてみてくださいね。
【原因自分論の心理学的補足】
心理学には、「統制の所在(ローカス・オブ・コントロール)」という概念があります。
これは簡単にいうと、
「自分の人生は、何によって動いていると考えるか」
というものです。
大きく2つのタイプに分けられます。
原因自分論は「自分にできること」に目を向けるため、「内的統制」に考え方が重なる部分が多いです。
ただ、この概念はどちらが良い・悪いというものではありません。
どちらの傾向が強いかによって、自己成長の仕方や、ストレスへの向き合い方が変わってくるというのがポイントです。

原因自分論は建設的な考え方ですが、必ずしもすべての人に合うとは限りません。
ここまで読んで、「原因自分論が自分にはしっくりきそうだな」
と感じた方は、ぜひ今日から少しずつ取り入れてみてくださいね。
まとめ
今回は、「原因自分論の考え方やメリット、注意点、実践方法」についてご紹介しました!
原因自分論は、「起きた出来事の原因を、まず自分の中に探していく」という考え方です。
他人や環境のせいにするのではなく、
「自分にできることは何だろう?」
と考えることで、
- 人生の主導権を握る感覚が生まれる
- 成長の機会に変えられる
- 感情に振り回されにくくなる
- 人間関係が穏やかになる
といったメリットがあります。
ただ、その一方で、「全部自分が悪い」という考え方に変わってしまうと、心が苦しくなってしまうこともあります。
大切なのは、自分に変えられる範囲の中で、どう行動するかを考えること。
この視点を持つことで、原因自分論はさらに役立つものになります。
自分に合うかたちで、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね♪
ローカス・オブ・コントロール(統制の所在):Locus of Control Theory In Psychology: Definition & Examples(Simply Psychology)※英語サイト
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